〈大丈夫になるばなな構文〉
〈大丈夫になるばなな構文〉
「その犬はコーギーだから足が短いから、歩いてる姿が小走りみたい」
のような、「〜だから〜から」という文章は、私のなかで勝手に「ばなな構文」と呼んでいる。
ばななとは、作家のよしもとばななさんのことです。
彼女の著書「なんくるない」のなかで、こんな風に使われています。
「私はそういうところが好きじゃないから、でもあなたのお金で買うのだからあたりまえだと思うから、いつでも、そういうところに引っ越しますよ、どうか私に遠慮なんかしないで……といくら言ってもだめだった。」
この、押して押してやっとぶにゅっと出る練乳みたいな物言い。惹かれる。
あと、この小説の「大丈夫」の使い方が私は好きです。
「大丈夫になった」って「元気になった」とはまた違う回復の仕方なんだなぁって思う。
すこーんと元気いっぱいになるよりも、ほっと大丈夫になるほうが傷が癒える気がする。
ばななさんがこの小説で使う「大丈夫」のポイントが、すっぽりと入ってくるんだよなぁ。
「まるでいやなことなんか一個もなかったみたいに大丈夫になってきた。」
とかね。
生きてると色々悩んだり落ち込んだりもするけど、接すると自分が大丈夫になれる人や物たちを増やしたりキープしていけるといいよね。