たんぽぽ仮面のタイムライン

言葉と絵とお酒にムズムズします

〈好きがりかた〉

好きなものをどんな風に好きがってますか(「可愛がってますか」)。
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近年、私の好きなものは。
ラニフ(服のブランド)、アーノルド・ローベル(絵本作家)、ジュナイダ(画家)。
 

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ラニフはよく、作家や画家とコラボした洋服を販売するのだが、
アーノルド・ローベルとのコラボ
②ジュナイダとのコラボ
をするという広告を見たとき、思わず、うわ!と声が出て、グラニフのサイトを見に行った。
けれど、①も②も、着るにはあまり好みではないなぁと思って、購入には至らなかった。
好きなもの同士の掛け合わせなのに、なんでだろう?
 

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アーノルド・ローベルが好きな理由は、言うまでもなく、代表作のがまくんとかえるくんシリーズの絵本が好きだからだ。

ページをめくると登場人物がちゃんとそこに生きている感じがするのと、三木卓が訳した素朴な文体が好きなのかもしれない。
絵本という形であることが重要なのかな。
でも、アーノルド・ローベル展のお土産としてM子が買ってきてくれた、かえる2匹とカタツムリが刺繍されたタオルハンカチは天才的に可愛かった。
平面で、絵画のように鑑賞が出来て、手にとれるのが良いのかも?

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ジュナイダが好きな理由は、2013年の三越クリスマスのビジュアルが素晴らしかったからだ。
その時私はジュナイダという人を知らなかったけれど、三越をジャックした彼の絵は、日々を元気に乗り切るのが精一杯で干からびていた私の心にドバドバおいしい水をやってくれた。
すぐにでもその人の絵がほしくて、三越の出入り口で「三越クリスマス」のイベント情報と共に彼の絵で飾られたフライヤーを見つけて取り、何かを買ってジュナイダの絵が描かれた紙袋に入れてもらい、ひとまず満足した。
帰宅後、ネットで調べて、画集を買った。
ジュナイダも、私にとっては鑑賞用なのかな?
画集や壁にかけた絵を、隅々までじっくり見ていたい。
彼の絵がプリントされた服は身につけたいけど、もしそうするなら服のシルエットにもう一捻り、"ジュナイダ感"がほしいなぁと思ってしまう。

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そうそう、ヘラルボニーという企業(?福祉実験ユニット)も好きだ。
ここのアーティストの描いたものがとにかくスゴい。眺めていると時間を忘れて吸い込まれるようで、いつの間にか背後に妖艶な魔女が近付いていて、とって食われそう。
風呂敷かハンカチがほしいと思っていてどれにしようか数ヶ月間ずっと悩んでいる。
候補の2,3作品はある。でも、これが我が家にあるとすると、制作にかけられた期間と熱量のパワーに圧倒されそう。家の中の雰囲気が変わりそう。
だから実物を手に取って選びたいなと思う。
昨日寄った、グッドデザイン賞受賞のみを扱うお店で、ヘラルボニーの手提げバッグがあったけれど、絵がえらく拡大されプリントされていた。
これも「そうじゃない」と思った。
私は風呂敷か、ハンカチ、もしくはポストカード、クリアファイルなどが良い。
四角いキャンバスにおさまったようにみえるものがいい。
そうか、多分、私が本当に欲しいのは、ヘラルボニーのアーティストが描いた「原画」、絵画そのものなんだろう。

好きなものがあるのっていい。
好きなものを存分に好きがれるのって幸せ。
そして、好きなもの同士がコラボするなら、単にくっついただけではなくて、協奏しているものがいいなあ。
 
▶︎ヘラルボニー
知的障がいのある作家のためのアーティストエージェンシー。「異彩を、放て。」をミッションに掲げ、知的障がいのあるアーティスト個人に光を当てる事で、社会に根付く障がいのある方への偏見払拭を目指す。
 
▶︎グラニ
graniph  グラフィックライフストア。
 
▶︎ジュナイダ
junaida 1978年生まれ、画家。