たんぽぽ仮面のタイムライン

言葉と絵とお酒にムズムズします

〈テタカカ コカテカタップ!〉

タップダンスをしている友人に誘われて、タップのステージを観に行った。タップの先生が使っていたスタジオのあるビルが残念ながら取り壊されることになったらしい。だから今回のステージは、このスタジオでタップを学び今やあちこちで活躍しているダンサー7人が、感謝をこめて「スタジオ」に贈るタップライブとのことだった。

ライブといっても、普段練習に使うビルの地下室(スタジオ)をステージにしているから、舞台装置はごくごくシンプル。客席も、椅子やクッションを並べて作ったものだった。

でも、構成のセンスがよかった、素晴らしかった。映像も洒落ていて、観客を飽きさせない工夫と遊び。お金のかかった劇場でやれば良いものが作れるとは限らない、空間は演じ手がいかようにも変えられるってことを改めて認識できた素晴らしいステージだった。

千秋楽なのも相まって、ダンサーのテンションは最高潮。観客の視線と笑みをぐいぐい引き出してくる。スタジオへの愛情と、支えてくれた周りの人への感謝がひしひしと感じられて、もう、関係ない私まで一緒になって「今までありがとう!」という気持ちになった。こんな素敵な才能を育んだスタジオに、感謝。

生のライブで何が好きかって、出演者同士の目配せが好き。もっと配りあって!と思ってみている。いいよなぁ、通じ合っているという感じで。最高に楽しいんだろうな。

そんなワクワクを受け取っていたら、タップシューズから生まれてくる音が、ことばで聞こえてきて「ん?」と思った。これを体験している人はきっと沢山いるのだろうけど、私は初めてだったのでドキドキした。タップのステップの音、早口言葉みたいですよね?

有名な外郎売の早口言葉「ぶぐばぐ ぶぐばぐ みぶぐばぐ」って突然聞こえて。あれ?と思ったらそれ以降はもう、そういうふうにしか聞こえなかった。

でも、ことばなんだけど音楽みたいで。ん、逆かな、音楽なんだけど、ことばみたい?音で会話しているみたい。音からことばを感じた。言っている意味は分からないけれど(だって、テカタカテカタカ、テム、テカトカ、テムカカトカ!って言われても。)でもなんだかことばに「感じる」。

タップをする人は、この「感じ」にハマるのかなぁ。ことばを伝える道具は、手と口だけじゃないんですね。