〈リメイク絵〉
探し物をしていたら、クリアファイルの中から、懐かしいものが出てきた。23年前に描いた女の子のイラストだ。
当時私は、紙になにかを描いて(書いて)いるのが暇つぶしだった。すると時々「おおコレは」と思えるものが描けたりする。そういうものには日付と、厨二病感あふれる自分の名前のサインを添えていた。
それが、出てきたのだ。ギョッとしたり恥ずかしくなったりするどころか、
「案外、結構いいじゃないか。」
と思ってしまった。なのでパソコンでそのイラストを切り抜き、背景やらを加工して、アイコン風にしてみた。うんうん、と満足する。
が、しばらくしてハッとした。
「23年も前に描いたものを気に入るって、ダメなのでは?普通、過去の未熟さに身悶えるのでは。この時から成長できていないということでは??」
私は今、これを超えるものが描けるようになったのか?SNSには、クオリティの高いイラストを毎日のようにアップしている方がいっぱいいらっしゃる。
私は毎日アップできるようなものを描けていない。焦る。
リメイクしてみようかな、と思った。もう一度、この絵を同じように描いてみようか。
果たして進化しているのか、退化なのか・・・。描きながら
・首は前より太く描くようになった
・顔のパーツを描きながらこの後の化粧のことを考えるようになった
・この帽子はナイな(笑)
など感じていた。上達というよりも、「前はこう、今はこう」と思う箇所だけよく分かった。
画風が少し変化して見えるのは、23年前はアナログ(紙とペン)で今はデジタル(パソコン)だからかもしれない。
絵の女の子にお化粧をするようになったのは、自分も化粧をするようになったからだと思う。絵のお顔にカラフルに塗りたくるのは楽しくて、最近好きなんだなと認識する。
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この一連のリメイクに関して、とあるSNSのフォロワーさんからいただいたコメントが嬉しかった。
「昔のアナログ絵を今デジタルで描いて比べてみるのって、自分の好みや経験の積み重ねや、色んなことが合わさって雰囲気が変わるんでしょうね」
と。なるほど。好み、経験、積み重ね。良くも悪くも、23年分の生活ぶりがアウトプットされてしまうんだろう。年齢を重ねたことでの特徴が出てくるということだ。
もしまた、20年後にこの絵をリメイクしたら、どんな風になるんだろう。その時は、胸を張れるような味わい深いものが描けていたら良いんだけれど。