たんぽぽ仮面のタイムライン

言葉と絵とお酒にムズムズします

〈目分量〉

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子Aの科学のテストを私も解いてみたら全然分からなかった。「答えと解説」を読んでも「え、そうなの?」という感想が出てしまうほどで「習った覚えがない」と開き直ったら子Aが
「え?大学まで行った人がこれ解けないの?普通に授業でやったけど?今まで、お母さん大学行ったなんてすごいなーって思ってたけど、大学って(学年)の問題解けなくても入れるんですね」
とめっちゃ嬉しそうに煽ってきた。
「いやいや、君にはできなくてお母さんにはできることがあるように、お母さんにはできなくて君にはできるってことがあるのは当然だからね」
「いやいや、(Aの学年)の理科だからね」
いやいや、いやいやいや、(言い返せない)。

「理科はなー。お母さん、あんまり好きじゃなかったなー。とくに実験。今日は理科室で実験ですって言われると皆イェーイってなるなかお母さん1人ゲーって言ってた」

「実験楽しいのに」
「なぜかお母さんのいる班はいつも実験失敗するんだよねー。家庭科の調理実習も、美味しくなった試しがない」
「え、それって、つまりさぁ(察し)」
うん、子Aが察したのは、私がいつも目分量でやっちゃう人だからなのでは、ということだ。

例えば私は、「大さじ1」と言われたら、調味料を傾けて「ファーオン」と言って出た量。「小さじ1」なら、調味料を傾けて「ファオン!」と言って出た量だ。大さじ小さじを使って計量することも稀にあるけど、不器用なのかいつもさじから溢れるので残りは勘で調整している。さじを使ってもどうせきっちり計れないなら、洗い物を増やす必要はないので、最初からファーオンの目分量に頼ってしまう。

夕飯の支度をしているとき、そばにいた子Bに、瓶の『白だし』を入れてくれるよう頼んだ。
「ごめん、お鍋に『白だし』入れてくれる?」
「いいよ、なんファーオン?」
「適当にファオって大丈夫」
子B、お鍋に白だしを入れる。
「ちょっと足りないなぁ… 鍋の水が薄く色づくくらいがいい。あとファーーーーオンくらい」
「ファーーーーオン」(ちょぽちょぽ)
「あと3ファーオン」
「ファーオン、ファーオン、ファーオン」
「なるほど、Bのファーオンは1回の量が少ないんだな。もっかいやってみ」
「ファーオン」
「うん、じゃあそれをあと4回」
そのやりとりを聞いていた子Aがぽつり。
「秀吉が全国のマスを統一させようとした気持ちがわかる」

マスね。確かにマスはね、全国同じ方がいいよね。マスが統一されてないと、土地によって量が違って混乱するし、損する人がでるからダメだね。
適当OK案件と、NG案件が世の中にはあるね。
そうだねぇ、私が笑って過ごせる適当さは、
・混乱しない(混乱しても愉快だなで済むレベル)
・損しない
・ないがしろにされていない
が条件だなぁ(身に起きた、ないがしろな適当案件を思いながら)。互いが最低限の義務を果たし、結果果たせなくてもチームに誠意と気遣いのベースを敷いてなければ不快なだけで、適当さを笑えない(身に起きた、ないがしろな以下略)。
ともあれ、大さじ3の数秒で済むより、こどもとファオるやりとりが好きなんだな私は。これからも、不快じゃなくて、緩くてシュールで可笑しい適当さを推したい。

▶︎こぼれ話
自分のブログ名を「たんぽぽ仮面のタイムライン」にしたことをすっかり忘れてM子と電話してたら「たんぽぽ仮面にさぁ」と言われて「え?何?たんぽぽナニ?」って2度聞き返してしまい「あんたのブログや。私が滑ったみたいになるのやめて」とたしなめられた。
ブログ名すら大して考えずに適当に決めるとこうなる。