たんぽぽ仮面のタイムライン

言葉と絵とお酒にムズムズします

〈16年越し・後編 -適当-〉

前回のあらすじ。鬼襲来のような怒涛の数時間をこなした日、お客さんから温かい一言をいただいて感動した私は、接客の検定を受けることにした。)

サービス接遇検定」は、二級までは筆記試験、準一級は面接試験のみである。

どうせやるなら、と準一級を受ける。なんせ響きがカッコいいし、合格率もなぜか8割と異様に高いから、いけるのでは。

 

準一級取得のためには、二級の筆記試験に合格していることが必要だ。早速テキストを買い、筆記試験と面接試験の対策をする。筆記試験では、ぞんざいなセリフを、接遇に適した丁寧な言い回しに言い換える問題などが出題される。

ここでふと、地元のマクドナルドで働いていた、留学生店員の接客を思い出す。笑顔もなく、日本語も流暢ではない。けれど、マクドナルドの注文は流れが決まっているので支障がなかった。

私「月見バーガーセットを1つください」

留学生の店員「のみもの?」

「アイスティーで」

「ミルク?レモン?」

「ストレートで」

「シュガー?」

「いらないです」

「以上?」

「以上です」

「おまえ、持ち帰れ?」

「?!…あ、店内で食べて行きます」

というやりとり。最後ちょっと、持ち帰らないといけないのかと怯みましたけどね、問題はない。

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でも検定では「お客様をびっくりさせない接遇」も含まれると思うので、頭を切り替えて試験対策をした。対策した甲斐あって、二級も準一級も合格した…ような気がする。

なぜ曖昧なのかというと、ここ最近、取得した資格の整理をしていて、「サービス接遇検定」だけ合格証が見当たらず、思い出せなくて困っているからだ。

試験会場は渋谷だった気がする、そこで面接を受けた記憶がある、だから準一級なはず。

とはいえ、手元にメモも何もないので確証がなく、「今まで受かったつもりでいたけど実は全部夢だったのでは」という気がしてきた。実家の母に本棚を探してもらったら、検定のテキストがあり、勉強した跡(書き込み)もあると写真付きで教えてもらった。でも、合格証が見当たらないのはなぜだ。準一級に受かったのか自信がない。

私のような、記憶力や収納スキルに難のある受験生のために、公式サイトで「合否検索依頼フォーム」というのがあると知る。問い合わせたら取得年月を調べてくれるらしい。ふんわりした記憶が元の情報をもって照会をしたら、1週間後にメールで回答が届いた。

私は平成17年に準一級と二級どちらも合格していた。おお、夢じゃなかった!と喜んだものの、それを自分で協会に申告しないと、準一級の「本合格」とはならないとのこと。私は、受けるだけ受けて仮合格のまま、ずっと宙ぶらりん状態だったらしい。

幸いなことに、今回照会したおかげで、「申請済み、本合格」という扱いにしていただけた。後日合格証を郵送しますと連絡をいただき爆笑してしまった。だって、16年越しの合格。適当すぎる、16年前の私。

そしてありがとう、合否検索のシステムを考えたひと。貴方の発想こそが本物のサービス接遇ですね。

 

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