〈命名〉
勤めていた時のこと。
職場の妊婦の先輩がもうすぐ産休に入るというタイミングで、子どもの名前候補が固まったと教えてくれた。
昼休みに、いつも昼食をとるメンバーで、その名前を当てようとなった。
まっさらな状態だと当てにくいので、いくつかヒントを出してもらった。
①女の子
②漢字1文字で、読みは3文字
③音の響きはカタカナのほうがしっくりくる
漢字1文字というところから詰めていくことに。
緑でミドリ?蒼でアオイ?
光?花?梨?桃?
私たちは思いつくままに挙げていった。
けど読みは3文字というのが難しい。
先輩は、「広いものです」とか「食べ物じゃない」とか細々ヒントを出してくれたけれど、さっぱり分からない。
もう一個ヒントを出してもらった。
④読みの最後の文字は「ン」
「◯◯ン」ちゃん。
え、なんだろう。ますます分からない。
「読みは思いつかないけど、空?」
と誰かが答えたときに
「近い!自然に関係するものです」
と先輩が言った。
すると、今までずっと静かに考え込んでいた一人の先輩が「もうこれしかない」と閃いた。
「層」と書いて「オゾン」。
いや絶対違うでしょ!と皆で総ツッコミしたけど、私も全然思い付かなかったしこれ以上考えたら午後の業務に差し支えそうだったから、答えを教えてもらった。
正解は、「海」と書いて「マリン」だった。
案の定、私はオゾンにウケすぎて午後の業務に差し支えた。
なんなら未だに思い出し笑いをしている。
燃費の良いエピソードだ。
(※実際は、違う名前を命名していました)