たんぽぽ仮面のタイムライン

言葉と絵とお酒にムズムズします

〈夏至〉

当時中学生の崎山蒼志くんが、自作の「チャコールグレーなガール」を弾き語っているのを聴いてから、彼の作る楽曲が気になって追ってしまう。

私はギターや歌唱について全くの素人だけども、たぶんコード進行が彼独特であと1秒、あと1秒と続きを聴きたくなるからなのか、MCでボソボソ喋ってたのに憑依したように歌いだすところなのか、思春期にその歌詞を紡げてしまう才能の危なっかしさなのか、なにしろ魅力的なシンガーソングライターなのだ。

 

彼が16歳のとき「夏至」という歌をリリースした。

ギター一本を爪弾いて歌詞は「かなり前の自分の中を透かして見た」から始まる。

郷愁を誘うメロディと歌詞がつづく。「かなり前の」、いったい何年前の自分の記憶を追っているのか。

語り手はこの曲を書いた崎山くん(=中高生)だろうから、その年頃の言う「かなり前」はせいぜい3,4年前か。そう思っているとこう続く。

「そうだ 思い出した

あの夏に取り残されて 何年たったか」

「虫のように強く 果物のように美しい

君がいた 100年前だ」

100年前。

ぎゅん!と一気に、想定外の過去に引っ張られて、一瞬、頭のなかが真っ白になる。この感覚。なんだこのストーリーは。

 

こどもの頃文通をしていた、大人びたAちゃんは、ブルーハーツも好きだったけど同じくらいB'zも大好きで、

「B'zはね、歌詞で表現できないことをギターで表現していて、ギターで表現できないことを詞と歌で表してるんだと思う。」

って言ってた。

夏至」の歌詞は、歌詞だけ追うと何を言っているのか掴めなくて消化不良なんだけど、これにギターのメロディがあって歌になると一気に説得力を増す。

ああ、100年前の、「君」がいた夏ね、ああ。と、納得してしまう。実は彼は、2,3回転生してきた人なんだろう。

崎山くんは口先ではなくてまるっと歌の世界を創造して歌い上げるところがいい。

これからも崎山くんのその才能を潰さずマネジメントしてくれる大人に見守られて仕事をしていってほしいし、

若くして全開になっている才能に押し潰されて、繊細な感性を傷つけすぎて早死にとかしないで、アーティスト的にも人生的にも長生きして欲しい。

 

あんまりガンガン推すのも推された方は困っちゃうの分かってるけど、THE FIRST TAKEバージョンも最&高なので貼っておきます…

誰か…

https://m.youtube.com/watch?v=bF_i9wLJcvA