〈あいづち〉
胸糞悪い話を聞いた。思わず
「それクソですね。クソofクソ。あ、ダメだこれじゃうんこに失礼」
と口走ってしまって、ビックリされた。
普段よほど近しい間柄でない限りは極端な言葉遣いをしないように心掛けてはいるんだけど(出ちゃってるかもしれないけど)、それは心底クソ案件だったので、ね。
話し手は笑いながら「ですよね?これやばいよね?訴えたら勝てるよね?」と言った。
で、そんな低俗な言動にあなたが傷つく必要はないことを話し、でも人権侵害ど真ん中案件なので今後の対応の仕方を一緒に考えた。
人は、望んだあいづちを打ってくれそうな人に込み入った話を切り出すと思う。
私は考えがまとまらないときは、理論的な人に話を聞いてもらう。
「つまりこういうことなんだね」
と要約してもらえるので、ぐちゃっとした思考の整理ができるから。
共感してもらいたいときは、解決策を提案するよりは話をただ聞いてくれる人へ話をする。
そして、今回の私から出たクソofクソという反応は、話し手の想定外だったらしいが、逆に冷静になれたと言ってくれた。結果オーライだ。
---
以前観に行った下北沢のライブイベントで、 大トリをつとめたのがセミプロのHIPHOPのボーカルグループだった。
そこのメンバーの一人は二十歳そこそこで若く、HIPHOPのなんちゃらという日本全国規模の大会の、アンダー20部門で優勝した、その界隈では有名なひとらしい。
(どの情報も暖味すぎてすんません)
さてその人がやってるHIPHOPボーカルグループのMCがとても面白かった。話の内容が、というより話の進行とあいづちが、だ。
だって、「こんばんは、(グループ名)です」って来るもんだと思うじゃない。けれど彼らはマイクを持つなり、
「ヘイここに居るみんなは夢とか目標とか持ってると思うだけど上手く行かないときもあるよな分かるぜ俺も挫折とかさんざんあったぜけど今やチャンピオンさだからみんなも負けんな頑張れチェケラー」
みたいな感じだったの。今思い出しながら書いてても可笑しい。
時々周りのメンバーが「yeah」とか「アハ」とか合いの手をいれるのも、ほんとに面白くて。
こういうお喋りの定型というのがあるんだな、 でそれを当然のようにやってて、聴衆も当たり前のように聞いてて。
そこに紛れ込んでる私、って状況も相当面白かった。
---
今年の夏、中学から付き合いの深い友人から「ロザンの楽屋」(YouTubeでロザンのお2人がお喋りする動画)をめっちゃオススメされて、以来まんまと沼にハマっている。
ロザンの楽屋シリーズは、面白い。
この2人は語彙も豊かだし多様性に寛容だし、柔軟なのがいい。説明の仕方もわかりやすい。
常に「状況や間柄によってはアリ/ナシ」という多角的な視点のエクスキューズがあるのもいい。
それから菅さんの、目を見てうん、うんって頷く話の聞き方も育ちの良さを感じるし、
こちらがほっこりするくらい、2人の仲の良さとか信頼関係が滲み出ているのもいい。
友「あんだけ自分のことを好きな相方が高一からそばにいたら、自尊心めっちゃ育まれるよねー」
私「わかる。その時から2人でずっとお喋りしててゲラゲラ笑ってたんだろうね。しかも、お互いをよく知ってて認め合っててさー」
友「ほんとほんと」
私「え?ちょっと待って?(友人の名)って私のこと好きだよね?私のことを好きな友達が中学から居る私も、とても幸せ者なんじゃないでしょうか。」
友「…もしや」
私「…むしろあたしら」
友・私「「ロザンなのでは…?」」
という平和な会話があった。楽しいあいづちのあるお喋りはいつだって楽しいものだね。
うん、ワイン飲んでるの。おやすみなさーい。